いま、オーディオブックの『仕事は楽しいかね?』を聴いています。
タイトルだけ聞いたら、いまの仕事が楽しくなくて鬱々としているときに、「どうやったら仕事が楽しくなるか」を知ることができる本に思えますが、実際にはそれ以上のことが書いてありました。
いままでの自己啓発本やビジネス書の常識を覆す面白い本でした。
仕事は楽しいかね?
過去に夢破れ、将来への希望を持てないまま、人生に行き詰まりを感じている主人公の私(35歳)。
そして、茶目っ気たっぷりの暇げな風貌の老人マックス(実は発明家、起業家として巨万の富を築いている)。
吹雪のため飛行機が欠航となり、封鎖されてしまった空港に偶然居合わせたふたり。
老人マックスによる、ふたりきりの真夜中の特別講義。仕事や人生に関して、様々なアイデアを与えてくれます。
「明日は今日と違う自分になる」
マックスはビジネス書によくある「目標の設定」を明確に否定しています。マックスはメモに、でかでかとバツ印をつけてしまいます。
そしてこう言うんです。
「試してみることに失敗はない」と。
人々は「目標の弊害」とマックスが言っている、計画を立てることに依存しすぎている状態になっているわけです。
人生はそんなに規則正しくできているわけではなく、人生は思いどおりにはならないと。
だからマックスが唯一立てている目標が、
「明日は今日と違う自分になる」ことです。
毎日ひたすら良くなろうと変わっていく。それが人生をとんでもない方向に導いてくれると言います。決して計画どおりになるのではなく、とにかく試し続けること。
このふたつの言葉は、ぼくの中で新しく響くものでした。
ほかにも、オーディオブックならではの愉快でもあり、力強い言葉が聴けます。
老人マックスの英知
本を読んでも愉快な老人だということが伝わってきますが、オーディオブックで聴けば、さらに元気で愉快な老人だと知ることができます。楽しく聴けますね。
人生はめいっぱい跳びはねなきゃ!
人生は進化だ。そして進化の素晴らしいところは、最終的にどこに行き着くか、まったくわからないところなんだ
やっと、〈熱く〉なってきたね
だから僕は、たった一つしか目標を持っていない。毎日毎日、違う自分になること。これは”試すこと”を続けなければならないということだ。そして試すこととは、あっちにぶつかりこっちにぶつかり、試行錯誤を繰り返しながら、それでもどうにかこうにか、手当たり次第に、あれこれやってみるということだ
すごい! 完璧以上に素晴らしいなんて。論理としては筋が通ってないけど、それを聞いたとたん、僕はハッとひらめいたね。彼の言葉は、完璧というものに対する僕の考え方を永遠に変えてくれた。完璧では十分じゃない−まだ試してみる必要があるってことなんだってね
アイデアをいっぱい持つこと。ありとあらゆることをやってみること。明日は今日とは違う自分になること。そして朝を待ち焦がれる、幸せなサムライの一人になってくれ
主人公の私の肩をガシッと掴んだり、ぴしゃぴしゃと手を払ったり、小声でささやくように言うときもあれば、大声で力強くいうときもある。マックスのユーモアさに、いままでにない本だとわかります。
おわりに
オーディオブックで聴いていると、あまりの展開の早さについていけなくなるものでした。いままでの考え方を覆すさまざまなアイデアが披露されるんですね。
「目標管理」というと、聞こえはいいですが、実際には目標に対して直線的に向かうことができるわけではなく、世の中は常に変化していて、自分が目標を達成するまで待ってくれているわけではありません。
そうではなく、試し続けること。「実験」とも言えますね。
「試してみることに失敗はない」という言葉は、思いついたことをためらって実行できない。そんなときにマックスの力強い言葉が勇気を与えてくれます。
一読の価値がある本ですよ。できるならオーディオブックでも聴いてほしいです。
物語形式の本がオーディオブックになると一層楽しめますよ!