オーディオブックで勝間和代さんの『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』を聴きました。
この本自体は2007年に発行された本で、以前からずっと読んでみたいと思っていたのですが、なかなか手を出せずにいました。
なぜなら分厚いんです。300ページくらいあり、他のビジネス書と並んでいてもその分厚さには圧倒されます。
さらにタイトルに「新・知的生産術」と付くわけですから、さぞかし難しい本なんだろうなと思い、敬遠してなかなか読む機会がありませんでした。
でもこういう本こそオーディオブックなら聴ける。イヤホンを耳に突っ込んでおくだけで本の内容を聴けるわけですからね。これがオーディオブックのいいところです。
本書をオーディオブックで聴いてみたのですが、勝間さんの徹底ぶりに圧倒されたのひとことでした。
オーディオブック『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』で情報の発信力を高める!
知的生産を効率化するために徹底した姿勢
何はなくともノートパソコンを持つことから始まり、自転車もスポーツタイプを選ぶなど、ツールやスキルを使いこなす徹底したその姿勢はすごいのひとことです。
特にフレームワークに始まり、親指シフト、マインドマップ、ピラミッドストラクチャー、MECEなど、知的生産のためにスキルを使いこなしています。さらにメールなどの情報管理も徹底した姿勢を貫いています。
これは、勝間さんが中学生のころからパソコンを弄っていたこと、成果がそのまま報酬に直結する仕事に就いていたこと、家事・育児など制約が大きい中で成果を求められる環境にいたことなどの要因により、とにかく知的生産性を上げる必要があったためです。
すべてはフレームワークで解決できる
勝間さんがコンサルティング会社に入ったころは、まったく話が通じなかったそうです。「勝間の言っていることはわからない」とアンケートまで回される始末。
それはフレームワークに従った話し方をしていなかったからです。フレームワークとは「ある目的に沿って整理された思考の枠組み」のことで、コンサルタントがよく言う「ポイントは3つあります」で始めることなどですね。他にも「7つの習慣」や「5つの法則」など考え方を整理したものをいいます。
情報洪水の中から取捨選択し、1%の本質に辿り着くためにはこの力をつけることが欠かせません。
世の中にはすでに多くのフレームワークがありますが、自分でフレームワークを作っていくことも重要だといいます。
ブログ記事も「○○のための3つの方法」などよくありますから、記事で言いたいポイントを3つや5つにまとめるのも立派なフレームワークだということですね。
本書ではアウトプットの最終ゴールは「書籍の出版」だと述べていますが、そのチャンスはブログを書き続けることで訪れるといいます。
勝間さんはブログを書くことを「武者修行」といっているのがとてもおもしろいところ。知的生産の武者修行だと思ってブログを書くってのはいいですね。
読書はスピード最優先
勝間さんは速読スキルを身につけているわけですが、勝間さんの主張は、読書は速読術も含めた「スピードを最優先する」ことです。線引きやまとめ書きなどはしません。時間がもったいないからです。
本の内容をまとめるのであれば、関連する書籍を読んだ方がいいですし、そもそも本の目次を見れば一発でわかるといいます。
確かに線を引いてドッグイヤーをしたり、付箋を貼ったり読書メモを作るのは時間がかかります。最近は特に手間だなと感じていました。
本を一気に読めないのはフラストレーションがたまるんですね。ゆっくり時間をかけて読んでいると、勝間さんが本書でいっているとおり、本の全体がぼやけてしまう。最近ちょっと課題だなと感じています。
線も引かず、重要なページに付箋もドッグイヤーもなしで一気に読むというのは一考に値します。
意外だったのが健康管理
「新・知的生産」というくらいですから情報収集のツールや思考方法ばかりかと思いきや、生活習慣の技術ということで食事や睡眠についても触れています。ここもかなり徹底しています。
特に睡眠については「投資」だというくらい合理的な考え方をしています。睡眠には肉体的な疲労を取り除くこと、ストレス解消になること、仕入れた情報を整理し記憶に定着させるなどの効果があります。
ですから無理に早起きして頑張るとか、夜更かししてまでやるというのは努力の効率が悪いといいます。睡眠時間を確保した上で残った時間でやることの方が結果的に歩留まりが良くなるとのこと。
夜更かししてまでやるというのは短期的にはいいのかもしれませんが、長期的な生活習慣という面から見てもデメリットの方が多く、ぼくもできるだけ早く寝るようにしています。
食事にも徹底した姿勢を見せています。間食はやめる、加工度の高いものは食べないなど、過食を防ぐための方法が書かれています。
特にコンビニに売っているもののほとんどは加工食品ですから「頭を悪くするための食料にしか思えない」とまでいっています。
脳も自分が食べたものでできているわけですから、何を食べるのかというのは非常に重要であり知的生産に大きな影響を与えます。
ぼくは食べたものが筋肉になるという意識はあり、運動のために健康的な食生活をしなければならないとは思っていたのですが、頭のためにも良い食生活を送る必要があるというのは目からウロコでした。
気軽に行けるコンビニだからこそ、コンビニに行かないという選択もあっていいのかと。
新・知的生産のバイブル
10年近く前の本でスマホが世の中に出回る前ですから、ツール類が古いのは仕方のないこと。
しかし、知的生産に関わるインプット・アウトプットの部分に関しては少しも古くなく、むしろ新しい発見も多くあります。フレームワークを含めた考え方を実践している人は多くはないんではないでしょうか。
ぼくは親指シフトを実践していますが、他のスキルは試してみたことがないので、マインドマップで考えるというのは興味があるところ。
この本自体もフレームワークに沿った構成となっており、インプット、アウトプット術にはそれぞれ6つの技術があり、さらに最終章には明日からでも実践できるように「まとめ」がしてあります。
さらにそれぞれの技術には参考書籍が紹介されています。ここまで徹底されている本もなかなかないですね。
分厚い本ということで敬遠していたのですが、オーディオブックだと7時間ありますが、1.5倍で聴けばあっという間に聴き終えることができます。
勝間さんの徹底した姿勢と言うのは見習うべきですし、たくさんの方法が紹介されていますので参考にしてみてはいかがですか。