読書×タスク管理で学びを実践につなげる

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読書で大切なことは、知識として頭に入れたままにするだけなく、実生活でどのように生かしていくかです。

確かに新しい知識を取り入れて、いままで知らなかったことを知ることができたというだけでも大きな進歩ですし、1つ賢くなったと思えれば読書の価値はあります。

しかしいくらウンチクを携えても、いくら聖人君子のようなことを言ったとしても、それに実行が伴わなければただの「意識高い系」になってしまいますし、現実は一歩も前に進みません。

いわゆる本を読んでも何も変わらないという状態です。そしてまた新しい本に手を出してしまう。この繰り返し。

ぼく自身も本を読んだり、人から学んだりすることは多いものですが、これが日常生活に落とし込まれているかというと正直微妙なところです。

いままで本を読んできて考え方や行動が変わった部分はあり、仕事のやり方やライフスタイルが大きく変わったのは事実ですが、「まだまだだな」と感じることが多いのが実際のところです。

今回は1つの方策として、本を読んで学んだことをどうやって実践するかについて考えてみたいと思います。

これを習慣化できれば、読書は大きな武器になるに違いありません。

読書×タスク管理で学びを実践につなげる

本の読みっぱなしは良くない

そもそもの問題として、本を読んだだけで満足してしまい、読後に何もしないことがあげられます。つまり、本を読むことが最大の目的になっている。

著者の経験を知ることや、「こうすればあなたも仕事ができる人になれる」などのモチベーションを高める言葉を読めば、読書をした後は、往々にして高揚感が残るものです。自分も何かできるんじゃないかと思ってしまいます。

でも大抵の場合はそこで終わってしまいます。その後の具体的な行動を何も起こさない。

だからいったん本棚に収めてしまえば、本の内容や味わった高揚感は忘れ去られてしまいます。

本の背表紙を見ただけでは、どんな内容の本だったかすら思い出せません。

本はあくまで自分の足りない部分を補ってくれるツールですから、大切なのは本を読んでどうなりたいか、何を得たいかなんです。

だからこそ、本を読んだ後に何をするかはとても大事です。

本を読んだら実践することを1つ決める

本を読んだだけで満足するのではなく、具体的な行動に落とし込むことが大切です。本を読んだらやってみようと思うこと。

1冊の本を読むと具体的な行動を指南してくれることもあれば、著者の伝えたいことを自分なりに解釈して、アイデアが浮かぶこともあります。それを実践するわけです。

最初はできるだけハードルが低くて、簡単に取り入れられそうなものを1つだけ決めます。

たくさんアイデアが出てくるかもしれませんが、一気にやろうとしても到底できませんし、できない自分に自己嫌悪を抱くことになります。

ここは割り切って1つだけにする。これができたら「この本から学んだ」といえるようなことを選ぶわけです。

こんな結果になりそうとか、成果がイメージできるものの方が取り入れやすいでしょう。

著者がいっているから、本に書いてあるからという理由だけでやろうとしても、「なぜやるか」という自分の目的意識に根ざしたものでない限り、自分の中に深く入ってきません。これはぼくの経験からしてもそう感じています。

いくら有名な著者が「やれ」っていっていても、自分の中に落とし込まれていないとできない、というか無理矢理やらされている感が出てします。

だから、自分の中で納得できるものを選ぶ必要があります。その方が導入しやすいですし、続けやすいです。

ただ、「本当かな」と疑ってかかってやってみた結果、逆にやっているうちに「これ意外といいんじゃない」って思い、どんどんのめり込むというパターンもあります。

決めたことをタスクリストに加え、実行するタイミングを決める

本当は本を読んだ後に、もしくは本を読んでいる最中に実行するのが一番理想です。

なぜなら、一番モチベーションが高いときだから。本を読んでいる瞬間が一番熱意にあふれるものです。

しかし物事にはタイミングがありますので、「明日仕事でこれをやってみよう」と思うことがあるかと思います。

そのときは実行するときを決めておくとやり忘れがなくなります。

具体的には朝一番に今日の計画を立てるときに、タスクリストに加えること。

こうすることで、いつやるかというタイミングを決めることになるので、必ず実行できます。

具体的な行動ではなく、心構えのようなものであっても、タスクリストに加えて常に目に見える形にしておけば、本からの学びを実践できるわけですし、常に意識できます。

そして、実際にそのタイミングになったら実行する!

この行動は本を読まなければ知らなかったことですから、このプロセスを経て、実際に行動するだけでもすごいことです。

例えば「職場のできる先輩のいいところを盗め」なんて、職場で教えてもらえることは稀です。でもこういうことを書いてある本ってのは多いです。

知らなければ自分で0から試行錯誤することになり、成長するまでに時間がかかりますが、周りの人の良いところを盗む、真似るということを知っておくだけで、仕事への取り組み方が変わります。これだけでも大きな進歩です。

その行動を評価(レビュー)する

本を読みっばなしにしないことも大切ですが、さらに大切なのは、その行動もやりっぱなしにしないということです。

企業においては、PDCAサイクルなんていわれていますが、そのC(チェック)の部分を個人レベルでもやってみるということです。

本から学んで実行してみた行動をレビューするわけです。

ここを評価するわけです。

仕事の場合でいえば、どうしても勤務時間というのは決まっていて、時間は限られているわけですから、あまり瑣末なことに労力を使うよりは、実際の仕事に取り組んだ方がいいです。

かといって、やらないと逆に仕事の効率を落としたり、周りの人との関係が円滑に進まないこともあります。

時間が限られているということを認識した上で、どのように行動を増やしていくか、減らしていくかを考え続ける必要があります。

それを日次レビューなり、週次レビューなりにより、個人でPDCAサイクルを回していくわけです。

そうやって自分の中に落とし込まれたものだけが残っていく。これが読書から学ぶということです。

本を読んだら実践するサイクルをつくり上げる

本を読んだだけでは意味がありません。大切なのはその先です。読書から得た知識を実生活で使って初めて読書は完結します。

ここを見誤ると、読む本の冊数を競うゲームにハマってしまいます。何冊読んだからすごい!とか、今年の目標は100冊!とか。

実践を伴わない読書は暇潰しに過ぎません。それなら本を読まずに、のんびり過ごしていた方がいい。

なぜ本を読むのかという目的を明確にして、学んだことを実践にまでつなげる。こうすることで日常に変化を起こしやすくなります。

読書→実践のサイクルがうまく回り出すと、いくら本に書いてある良いことでも、自分にとって効果がないものは淘汰されていきますし、逆に良いものは残っていきます。

それは、まるで自分の深い部分にうっすらと積み重なっていく地層のようなものです。

本は著者の数十年の経験が積み重なったものを数百ページに編集してあるものです。本当はそのすべてを体得できるわけがありません。

本から1つだけでも1%だけでも自分の中に残すことができたら、勝ちだと思っています。

本を読んだら1つだけ実行する。そしてそのサイクルを回し続ける。これができれば読書は大きな武器になります。