ブログを書くときに、パソコンに向かっていきなり文章を書いていませんか。
ニュースサイト「ナタリー」で、新人ライターの教育をしていた著者が教える、実践的な文章力のトレーニング本です。
文章力の教科書ともいうべき、基本中の基本から教えてくれる本で目からウロコでした。
良い文章=完読される文章
本書の中で首尾一貫して書かれているのが「完読される文章が良い文章」だということ。
お金を払って買った本であれば最後まで読みますが、無料で見れるウェブ上の文章は、自分の興味に引っかからなかったり、途中で面白くなかったりすれば、簡単に離脱できます。
つまり良い文章とは、読者に最後まで読んでもらえる文章。
読者を終わりまで導くには、いきなり文章を書き始めてはいけません。いきなりパソコンに向かって打つと、まとまりのない文章になってしまいます。
主眼と骨子を決める
書き始める前にやるべきこと。それが「主眼と骨子」を決めること。
主眼とはテーマやコンセプトのことです。
骨子とは
- 要素(何を)
- 順番(どれから)
- 軽重(どれくらい)
のこと。
これを「構造的記述」といいます。これが基本。最初にテーマやどんなことをどれくらい書くかを決めてから文章を書きます。
文章をプラモデル化
文章を書くことをプラモデルを作ることに例えています。
- 箱絵=主眼
- パーツ=要素
- 取扱説明書=順番・軽重
プラモデルの箱に完成した絵が描かれているので、箱の中のパーツはバラバラでも組み立てる前から完成形がわかります。
ガンダムしかり。その箱絵がカッコよくて、そのプラモデルを買うくらいですからね。
あとはバラバラのパーツを取扱説明書に従って順番に組み立てるだけ。
「構造シート」を手書きする
5W1Hに従って、書きたいこと(パーツ)を箇条書きにします。面倒臭がらず、手書きでリストアップすること。
なぜ手書きかというと、パソコンでこの作業をすると、結局文章を書き始めてしまうから。
最初に基本を身につけるために、あえて手書きをします。
この構造的記述を組み立てる「構造シート」を書くことを新人に課しています。手書きで30本。
この構造(ロジック)がおかしいにもかかわらず、言葉づかいできれいに見せようとしても文章が破綻しているので、読者に伝わらない文章になってしまいます。
ナタリーでは慣れてきたら、紙に書き出さなくても瞬時に頭の中で構造シートができるとのこと。
おわりに
ここまで初心者向けに立ち返った本はなかなか無いですね。
文章をプラモ化する例えはわかりやすくて、文章の書き方をイメージできます。
よくある文章術の本は、「てにをは」など、どちらかというと細かい文章のテクニックに終始しがちです。
本書はメディアで文章を書くことを生業にする新人に教えることに特化しているので、文章を書き慣れていない人にはとても参考になります。
ぼくはいきなり文章を書き始めて記事を書いていました。だからまとまりの無い文章になっていたんですね。
第1章を読んだだけでも十分すぎるくらい。これは一読の価値がありますよ。