継続することの大切さ。『女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法』美達大和・山村サヤカ&ヒロキ著

さやかさやか

不思議なお話。

女子高生の山村サヤカとその弟である中学生のヒロキが、殺人の罪により無期懲役で服役している囚人、美達大和さんと文通を交わし、勉強法を教わる。

普通では考えられないこの文通をこの山村家は続けています。

きっかけは、2人の母親である山村友美さんが美達さんの著書『人を殺すとはどういうことか』を読んだことに始まります。

友美さんは、金銭トラブルや怨恨ではなく、自分の主義主張を通すために人を殺めてしまった美達さんから何か一本筋の通ったものを感じ、出版社、弁護士を通じて美達さんに手紙を送ります。

ここから文通が始まります。

サヤカとヒロキの勉強や進学、その他の悩みが書かれた手紙に対して、美達さんは相談にのり、アドバイスをし、2人におすすめの本まで送るようになります。

姉弟2人は文通を通じて、勉強に対して真面目に取り組み、成長していきます。

サヤカとヒロキが学んだ勉強法とは一体どんなものだったのでしょうか。

続ける力

美達さんが手紙の中で一貫して書いていること、それは「続けること」です。

たとえ嫌いな勉強であっても、社会に出るための訓練だと思って地道に続けること。

続けていても、すぐには成果は出ません。しかしある日、急に花開くときが訪れます。そのときまで忍耐強く続けることができるかどうか。ほとんどの人は諦めてしまいます。

途中で諦めてしまう人は、どんなに才能があって、能力が高くても、事を成し遂げることはできません。

業績や成果は、どのように取り組み続けたかで決まります。成功とは決して派手なものではなく、地味なことの積み重ねです。

この「続ける」ことの大切さを繰り返していっています。そして10代のときに身につけるべき習慣だともいっています。

そしてそれは大人になったときに役に立つ力なんですね。

意志の力

続けるためには「意志の力」が必要です。目標を定めたら、必ずやり抜くと決めてしまいます。

美達さんは、「できるかどうか」ではなく、「やると決めたら最後までやり抜く」ことを心がけています。

刑務所の中では、ほとんどの人が「どうせ自分はダメな人間だから」と考え、何もしようとしません。この考え方は刑務所に入っている人間に限らず、多くの人が持っています。

やる前から諦めてしまう。始めても途中でうまくいかなければ「自分はダメだ」と諦めてしまう。

すると、だんだんと夢や目標、希望を失ってしまいます。自分はやりたいと思っても、やりもしないで諦めてしまうのは、なんともさみしい人生ではないかと美達さんはいいます。

本人のやる気さえあれば、行動しさえすればどうにかなるのに、それすらもせず諦めてしまう人たちを残念に思っています。

その「できない」という考え方は、自分が生み出しているものに他ならず、自分で自分を縛っている状態です。その考え方を変える必要があるんですね。

おわりに

本の内容は終始、手紙のやりとりですが、勉強法だけでなく、ケンカのやり方や筋力トレーニングの方法、それだけでなく脚が細くなる方法などさまざまなことを教えてくれます。

その手紙の内容があまりにも知的すぎて、「本当に殺人の罪を犯した人なのか」と思ってしまいます。

実際の話ということなのですが、とても不思議な話です。

1万人に1人の勉強法をひとことでいうと「淡々と続けること」に尽きます。

己を律し、自分のやるべきことを淡々とやっていく。

▲本の帯にある中谷彰宏さんの言葉です。

したい人、10000人。
始める人、100人。
続ける人、1人。

99.99%の人が続けることができない。それくらい「続ける」ことは難しいということです。

しかし、自分でやり抜くと決意し、淡々と続けることが、結果につながる。

ブログでも一緒ですね。ブログを始めたいという人が多くいます。しかし始めたとしても、何年を続ける人は少ない。これと一緒なんですね。

この「続ける」ということが、いかに大切かを教えてくれる本でした。