読書をするときの悩みの多くは「行動に移せない」ことではないでしょうか。
読んでいる最中はまるで著者の人生を擬似体験しているような感覚を覚え興奮しますし、まるで自分までデキる人になっているような感覚もします。
本を読んだだけで自分が変わったような感じがするものです。
しかしどうでしょうか。
その本を本棚に戻してしまったが最後、その興奮も冷めてしまい、日常生活に戻ってしまえば、本の内容などすっかり忘れてしまいます。
それは本を読んだだけで満足してしまい、読後のことまで考えが巡らせないからでしょう。
本を読んで学んだことを行動につなげるというのは永遠のテーマだと思っています。
そんな課題を解決してくれる見事な本に出会いました。それが『アクションリーディング』です。本のタイトルに「アクション」が入っているなんて、まさに行動するための本ですね。
とても共感できる部分が多かったので紹介します。
レバレッジ・リーディング以来の衝撃!読書を行動につなげる『アクションリーディング』赤羽雄二著
30代になるまでに300冊、それ以降は週1冊読めば十分
読んで一番おもしろかったのが、読書に関する本なのに「本を読みすぎるな」といっていることです。
通常の読書に関する本なら、とにかく冊数を多く読め!と推奨しているものが多いです。先人の知恵をたくさん取り込むことに価値があると。
しかし、本書ではあまり多くを読みすぎても費用対効果は限界にきている、だからその分行動につなげよ、と述べています。
特に最近感じるのは、本当に差がつくのは、本をいかに自分の仕事や成長に活かしているか、ということです。一定水準までは本を読むべきだと思いますが、それを超えた後は、本を読むことを制限して、むしろ「行動」につなげることが大事だと思います。
きちんと「行動」にまでつなげる読書ができるようになれば、たとえ1週間・1か月に1冊だとしても、そのほうが価値は高いでしょう。(P.3)
一定水準というのは、30代になるまでに300冊を読むことです。しかもその半分は小説です。小説を読むことで自分とは違う人生を感じることができ、感性を磨くことにつながります。
さらにその後は週に1冊、年間50冊程度読めば十分だともいいます。本を読むことは良いことですが、決してそこに逃げ込んではいけません。
読書にかける時間を行動につなげるようにします。あくまで行動につなげてナンボです。
チャレンジシートで行動に移す
本書で読書から行動(アウトプット)につなげる方法として紹介している1つとして「チャレンジシート」を作成することがあります。
これは、次のようなことを書き出して、本を読んだ結果、何をするのかを明確にするものです。
- この本を読んだ目的、ねらい
- 読んでよかったこと、感じたこと
- この本を読んで、自分は今から何をするか
- 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
この4つを1ページに作成します。
何をするかを明確にした上で、定期的にレビューをすることで行動できているかを評価します。常にチャレンジシートを手元に置いておくことで行動促進につながります。
ここが共感できるポイント!
著者は黄色のマーカーで線を引いているそうです。黄色であれば、本をコピーしても目立たないからだそうです。
蛍光ペンを10本くらいまとめ買いをしているとのこと。手元にないと本を読む気にならないというほどの徹底ぶりです。
ぼくも本を読むときはマイルドライナーのイエローじゃないと本を読む気になりません。この淡い色で線が引いてあると落ち着くようにまでなってしまいました。
それからドッグイヤー。著者は8ミリ×8ミリくらいのサイズでページの角を折っているそうです。慣れるとそれほど大きさはズレないとのこと。
ぼくもドッグイヤーをしていたのですが、その長さを測ってみたところ、大体18〜20ミリくらいでした。
著者と比べると大きめかもしれませんが、これくらいのサイズのほうが該当のページを見つけやすいんですね。
逆にこれより小さいと、なんか控えめなような感じがして違和感を覚えてしまいます。
そして、本棚の整理に時間をかけないということ。まさにこれは最近、特に感じてきたことで、労力の割に成果はまったくといっていいほどありませんでした。
一時の満足は得られるのですが、本を購入したりしていると、その都度並び替える必要が出てきますし、それならいっそのこと整理をしない方が理にかなっていることに気づきました。
読む本を制限して行動につなげることで成果をあげる!
本書が提唱しているのは、あくまで成果志向ということですね。本をたくさん読むことを推奨はしていません。
問題意識の持てない本は買うなともいっています。現実に解決したい課題があるから本を読むのであって、冊数にこだわる必要はありません。
著者は決めた冊数を超えて本を読まないとも述べています。
だからこそ、何を読むかというのは大事ですし、目的を明確にして本を選ぶ必要も出てきます。
「読書は投資」だと提唱した『レバレッジ・リーディング』ではパーソナルキャピタルを築くために累積効果ということを重んじ、毎日のように新しい本を読むことを推奨していました。
これはこれで読書に対する新しい発見でしたし、この本のおかげで読書をするようになりました。
それに対して、アクションリーディングでは読書を制限して、行動につなげることを重んじています。
ある一定水準まではどんどん本を読め。しかし、それを超えたら行動しなさい、と。
本を制限するってのは衝撃でしたね。
実は最近はそうなんじゃないかと、うすうす感じてきました。「本ってそこまで読まなくても十分なんじゃないか」と。
確かに、本を読めばどんどん知識が入ってくるのですが、それが実行できているか、さらにいえば習慣として落とし込まれているといわれたら必ずしもそうではありませんでした。
本を読んだ後は気分が高揚して、やってやろうという気持ちになりますが、本棚に戻してしまうといつの間にか忘れてしまい、行動も続かなくなってしまいます。
だかこそ、読書を制限して何をするかを明確にする。
両者の本の言い分は正しいと思いますし、実際にそのとおりなのでしょう。だからこそ、本を読む時点のレベルにあった読み方をすることが大事ってことですね。
本をたくさん読んで資産を蓄える時期なのか、その蓄えた分を実生活に生かす時期なのか。
そのメリハリをつけるってのが大事ってことですね。あらためて読書の醍醐味を感じたようです。