ナポレオン・ヒルの名著『成功哲学』を読みました。
世界的にも有名な『思考は現実化する』は、富を得るための方法が書かれていてとても分厚い本です。
対して『成功哲学』は「心の富」を得るための思考法について書かれている本です。
ナポレオン・ヒルは、世界一の大富豪だった鉄鋼王アンドリュー・カーネギーに依頼され、500人以上の成功者の成功の秘訣を調査しました。
それをまとめたものが「PMAプログラム」です。本書にはそのエッセンスが含まれています。
自分の心を知る
成功に向かうためにはまず、自分の心について知る必要があります。自分を深く知ることで夢に向かうことができます。
自分の心は、自分で決めることができるという自治権を天から与えられています。つまり、心は独立国なのです。
これが最高の富である心の平安につながる大前提になります。
この強力な力を発見するや否や、自分というもののあり方を他人に決めてもらうような屈辱的な生き方には愛想をつかすはずである。(P.18)
有名な発明家であるトマス・エジソンは、学校の先生に「あなたは頭が弱い」と言われました。
しかし、それを信じることなく自分の心をコントロールし、目標に向かっていくことで偉大な発明をしました。
もし先生に言われたことを鵜呑みにして、「自分は頭が悪いから何もできない」と何もしなければ、白熱電球などの発明はなかったでしょう。
幼少の頃に、親や教師などの権威者から「あなたはできない」と言われることがあります。
しかし、才能がないと言われても、それを信じることなく、自分の心を信じれば才能は花開きます。
仮に失敗したとしても、「逆境の中にはすべて、それ相応かそれ以上の大きな利益の種子が含まれている」わけであり、積極的な心構えさえあれば、失敗を塗り替えることができます。
心という城の中に精神的な城壁を持つことで、誰にも侵されることのない聖域を作ることができ、自分の思考に集中することができます。
自分の心を知り、心を信じることで自分の人生を生きることができます。
自分の人生を生きる
自分の人生を生きるためには、人から勧められたものではなく、自分の納得したものを選ぶ必要があります。
服にしても、レストランのメニューにしても自分が心から欲するものを選ぶことです。
それは、人の真似をするのではなく、自分のスタイルを見つけるということでもあります。
権威者から言われた人生を生きるのではなく、自分の納得した人生を送るということです。
ナポレオン・ヒルが若いころ、有能なアーサー・ブリスベーンという人の文体を真似ていたことがありました。
私の友人はそれを見てあまりいい顔はしなかった。ブリスベーンの真似をしたら、自分のスタイルが作れなくなるぞ、と忠告してくれたのだ。そのお陰で私は、後に自分のスタイルを作ることができた。私が書き手として成功できたのも、アーサー・ブリスベーンのコピーとしてではなく、ナポレオン・ヒルであり続けようとしたからであろう。(P.58)
「守破離」という言葉があるように、最初は教えを守る必要があります。
しかし、いつまでも真似をしていてはコピーのままです。
やがては離れていく、自分のスタイルを確立するということです。
今すぐにでも、あなたが自分自身であるためにできるかぎりのことにとりかかってほしい。メンズショップに入ったとき、あるいはレストランに入ったときに、静かに、そしてきっぱりと、自分自身になる決意を固めてほしいのだ。
(中略)
10人のうち9人までが白だと言っても、あなたが本当に黒だと思うなら、黒だと言うべきである。自分自身の判断を捨てて、納得できる理由もなく、他人に同調するのは無能な人間への第一歩だと思ってほしい。他人に同調しているかぎり、結果が正解であろうと、間違いであろうと、そこから学ぶことは永久にできないからである。(P.62)
自分自身を持つこと。それがまず第一歩です。
そのためには、自制心(セルフコントロール)も必要になってきます。
過去に、ナポレオン・ヒルですら自制心を失って怒りにまかせてしまうこともありました。
それくらい難しいものです。しかし、経験を経ることで自制心の大切さを学ぶことができます。
私は二度と自制心を失うまいと決意した。自分を見失うことがいかに恥ずかしいことか、そして怒りなどというものがいかに無益な感情か、悟ったのである。(P.81)
もし、怒りの感情が湧き出したときは、その怒りを書き出すことを勧めています。その効果は次のとおりです。
- 書くことで身体から怒りを出すことができる。
- 客観的に見ることができ、自分自身を省みることができる。
心のありようが成功を決めるということですね。
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心の平安を手に入れる『成功哲学』ナポレオン・ヒル著