勝ち続ける秘訣は「成長のループ」にあり。『1日ひとつだけ、強くなる。』梅原大吾著

1日ひとつだけ

プロ・ゲーマー梅原大吾さんの著書『1日ひとつだけ、強くなる』を読みました。

以前梅原さんの著書『勝ち続ける意志力』を読み、非常に刺激を受けたので、本書も読みました。

勝ち続けるために『勝ち続ける意志力』梅原大吾著

17歳で初めて世界一になり、34歳の現在も世界で勝ち続けている著者が、大切にしている考え方や方法論を書いています。

勝ち続けるためには何が必要なのでしょうか。

場面ごとではなく「視点」で捉える

著者はゲーム全体を「視点」で捉えています。

ゲームの対戦中、ほとんどのプレイヤーは、場面ごとの最適解を見つけようとして行動しています。その積み重ねが結果になる。しかし、場面ごとにうまくいったとしてもそれが勝利に結びつくとは限りません。

著者はまず最初に、ゲームに勝つという視点があって、そのためにどう動けばいいかを大切にしています。そのポイントさえ押さえておけば、場面で失敗したとしても逆にそれが勝利につながることもあります。

傍から見ていると危なっかしく、リスキーかもしれませんが、「視点」で捉えることで新しいことを発見することにつながります。

あくまでその場限りではなく、全体を通した視点で物事を捉えるということです。

勝負に感情は動かさない

勝負するときには感情が高ぶってしまい、怖がったり、焦ったり、興奮したりしてしまうかもしれません。しかし、こういった感情は勝負事には向いていません。

特に「怒り」という感情は、冷静さを失わせ、集中力を切れさせてしまいます。一時的には勝つことがあったとしても、その反動で安定して勝つことはできません。

勝つためには感情は不要ということです。

ゲームという勝負事には、どうしても対戦相手というものがいますから、自分の思いどおりにならないこともあります。

相手をコントロールしようとして、いちいち腹を立てていたらキリがありません。

それを「自然現象」だと思うことができれば、自然は自分でコントロールできませんから、受け入れることができます。こう考えるだけで冷静になれます。

勝ち続けるとは「成長のループ」を継続すること

成長しないということは、イコール同じ場所に留まっているということ。それでは変化の激しい現代においては、常に追われる立場になります。窮地に立たされやすくなります。

本書でおすすめの方法が紹介されています。それが「1日ひとつだけ、成長をメモする」ということ。

今日1日の中で、どんな小さなことでもいいので成長できたと感じることを記録として残しておきます。

できるだけ成長のハードルを下げておく。ハードルを下げて小さな変化に気づけるようになれば、自分は成長していると実感できます。

このように自分の外ではなく、自分の中にモチベーションの源泉を見つけることが「成長のループ」につながります。

著者はこの「成長のループ」を安定して継続することを第一にしています。

大きな成果というものも、いわば小さな成果の積み重ねでしかなく、それに気づくことに重きを置いています。

高いハードルを越えることも目的としているわけではなく、この小さなハードルを越え続ける「成長のループ」を安定して継続することを目的としています。

この「成長のループ」が勝ち続けると同じだともいっています。安定して続けること。これだけで自信になります。

可能性を常に探る

ゲームに限らず「可能性がない」と感じてしまうことはあるものです。しかしそこで諦めてしまっては、本当に可能性が潰えてしまいます。

それは自分が気づいていないだけかもしれませんし、見落としている部分があるだけかもしれません。

「もしかしたら、何かあるかもしれない」という姿勢で自問自答を繰り返すことで、何か道が拓けるかもしれません。この可能性を探る姿勢が大切です。

すべての選択肢をやり尽くす覚悟さえあるのなら、そうそう伸び悩むことはないと思う。うまく行かなかったやり方とは違うことを試すわけだから、いずれいい答え、いいやり方が見つかる可能性が高い。
これは才能の問題ではない。ただ根気よく、次、次と新しいことを試すチャレンジ精神、諦めない気持ちがあれば、いずれ何かに突き当たる。(p.235)

ただ同じことを繰り返すのではなく、試行錯誤を繰り返し、他に何かないか常に実行し続けることです。

おわりに

読み終わってみると、常に同じところに留まることなく、変化し続けることが大切だとわかります。

「成長のループ」を安定して継続すること。それはつまり「変化し続ける」ことでもあり、「試し続ける」ことでもあるということです。

できるだけハードルを下げることで、成長を実感できるのでモチベーションを維持することにもつながりますし、自分に自信を持つことができます。

本書を読めば、成長することが楽しくなること間違いありません。

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