集中力を高める7つの方法『自分を操る超集中力』でウィルパワーを使いこなせ!

超集中力

告白します。
実は、かつて私は「LLD(学習障害)ではないか?」と両親や祖父に心配されるほど、集中力がなく、本当にじっとしていられない子どもでした。

当然、勉強もできません。成績は学年227人中、224位。長時間、机に向かっている奇跡のような1日があったとしても、実際には集中していないので、何も覚えていないに等しいときもありました。

今思えば、周りの人たちと同じようにじっとしていられなかったことで、小学校1年から中学校2年までの延べ8年間に渡るいじめが始まったのかもしれません。(P.3)

こう語るのは著者であるメンタリストのDaiGoさん。5枚のカードのうちから1枚を相手に選んでもらい、相手の心理を読んだ上でどれを選んだか当てる。テレビで有名ですね。

そんな著者も子どものころはまったく集中できなかったそうです。しかし「自分を変えよう」と決意し、心理学や脳科学の専門書を頼りに、集中力をつくり出す方法を研究し始めました。

そして、いまでは高い集中力をもって多くの成果をあげられるようになりました。その活躍ぶりはテレビだけではなく、多くの講演・研修事業なども行い、著書も出版しています。

現在では1日10〜20冊の本を読んでいるとのこと。

そんな著者がいうのは「集中力は持って生まれた才能ではない」ということ。集中力には「つくり方」があり、正しい知識と正しいトレーニングによって誰でも高い集中力を発揮できるといいます。

今日紹介する『自分を操る超集中力』は著者が自身の経験を踏まえ、圧倒的なインプットで手に入れた集中力を高める方法を紹介しています。

どの方法も参考になることばかりで、明日からでも実践可能です。

集中力を高める7つの方法『自分を操る超集中力』DaiGo著でウィルパワーを使いこなせ!

本書でたびたび出てくるキーワード「ウィルパワー」。集中力を高めるために知っておかなければならないのがこのウィルパワーです。

脳には「前頭葉」という部分があり、この前頭葉には「思考や感情をコントロールする力」が備わっています。その力がウィルパワーです。ウィルパワーは前頭葉の体力のようなもので集中力を発揮するためには一定の量が必要です。

このウィルパワーの総量を増やしつつ、うまく節約していくことが集中力を高めるためのカギになります。

  • ウィルパワーを増やす
  • ウィルパワーを節約する

人間の脳は長時間集中できないようにできている

集中力に関する大きな誤解は、「集中力はずっと続く」という思い込みです。

実は人間の集中力はずっと続くようにはできていません。最新の研究では、十分に鍛えられている人で120分だそうです。一般的には長くても30分だそうです。

これは大昔の狩猟時代のころまで遡ります。食事など1つのことに集中力していたら他の動物に襲われてしまいます。

ですから、集中していない状態というのは、注意をいろいろな方向に向けることができ、危険を回避するためにも重要です。

だから人間の脳は集中力を持続させないように本能としてできているんですね。

だから、集中している人ほど、長く集中しているように見えて、実は短時間の集中を繰り返しています。

大切なことは集中するためにはあらかじめ時間を短く区切って仕事や勉強をやることです。こうすることでより高い集中力を得られるようになります。要はダラダラやらずメリハリをつけるということですね。

集中力に関する前提を踏まえた上で、ここから本書で紹介している集中力を高める7つの方法を紹介していきます。

1.場所

まず本書で一番印象に残ったのが、DaiGoさんの環境に対する姿勢です。

集中力を発揮するために、デスクには開きっぱなしのノートと本、ペンしかないとのこと。さらにテーブルクロスがあるそうです。

開きっぱなしのノートには書きかけのメモが残っており、すぐに書き出せるようにしています。実はノートを開く決断だけでもウィルパワーを消耗してしまいます。つまり勉強を始めようとノートを開くだけで集中力を使ってしまうことになります。

この集中力を奪う判断を極力減らす必要があります。集中力を発揮するためにはこの環境づくりが欠かせません。モノを片づけることで注意力をそらすものをなくし、「なにもない場所」をつくることで自然と集中力が高まる環境にしていくことです。

2.姿勢

集中するためには正しい姿勢でいることも欠かせません。脳のエネルギー源であるブドウ糖と酸素を運ぶ血液が脳にしっかりと届いてくれなくてはなりません。脳には全血液の15%が集まるのだそうです。この脳に向かう血流と密接な関係をもっているのが姿勢です。

前かがみで猫背になっていると、呼吸が浅くなることにより、脳に十分な血液が届かなくなります。すると新鮮な酸素が届かず集中できなくなります。

ですから、背筋を伸ばした正しい姿勢で椅子に座る必要があります。本書ではイラストで正しい座り方も紹介しています。

また集中力を高めるためには椅子に座りっぱなしのままではなく、立つことも重要です。立っているときの方が集中力だけでなく、判断力や認知能力も大きく上昇することが研究でわかっています。

スタンディングデスクなどを用いて立ったまま会議をするなどの企業も増えていますよね。ですから椅子に座っている時間を減らし、15分に1回立ち上がることをすすめています。

正しい姿勢で、脳に新鮮な酸素を送り届ける必要があるということですね。

3.食事

脳のエネルギーとなる食事にも気を配るとより集中力を発揮することができます。

本書ですすめているのは、低GI食品を中心とした3食とナッツ類を中心とした間食です。

低GI食品は食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれる食品です。これが集中力の持続には欠かせません。高GIの食品を摂ると急激に血糖値が上昇し、急激に下降してしまいます。これが脳にとっては負担になります。

ですから高い集中力を発揮するためには、玄米や全粒粉のパンなどの低GI食品を上手に3食の中に入れて血糖値の変動を穏やかにすることで脳の冴えた状態を維持できます。

また、食事の間の時間が空くと、血糖値が下がって集中できなくなってきますので間食も大切です。

甘いお菓子だと血糖値が急激に上昇しますので、ナッツがおすすめです。栄養素が豊富で集中力、思考力を高める効果があります。手の平1杯分くらいを朝と午後に少しつまむ。こうすることで脳にエネルギーを補給することができます。

4.感情

「フロー体験」と呼ばれる状態は高い集中力を発揮し、ものごとに没頭できている状態です。このフロー体験は喜びの感情と結びついており、より高いレベルで集中力を発揮することにつながります。

フローになるためには4つの条件があります。

  • ちょうどいい難易度のものに取り組んでいる
  • 取り組んでいる対象へのコントロール感覚がある
  • 直接的なフィードバックがある
  • 集中力を妨げる要素がシャットアウトされている

これらの条件が満たされるとフローに入ることができ、より高い集中力を発揮することができます。作業に没頭していて「気づいたらこんな時間だった」というのもフロー体験ですね。

5.習慣

ウィルパワーを節約するには習慣化が一番です。習慣とは無意識に行っている行動であり、脳の前頭葉を使う必要がないものです。

判断や決断によってウィルパワーは消費されてしまいますから、できるだけ消費しないためには行動を習慣化する必要があります。

1つの行動を習慣化するためには、その行動に対して意識する必要がありますが、習慣化できれば集中力を別なことに使うことができます。

新しい習慣やスキルを身につけることができるわけです。だから習慣化はいきなり多くの行動をするのではなく、一点集中で取り組んだほうがいいわけです。

6.運動

運動することによって、脳の血流が改善され、ドーパミンが放出されます。運動には脳そのものを強化し、疲れにくくする働きもあります。「体力=集中力」ともいえます。

そもそも人間は狩りなどの体を動かすときこそ、集中力を発揮し、頭を働かせていました。だから、脳と体は密接な関係にあり、運動することがより脳の活動を促し、集中力を発揮することにつながってくるわけです。

しかし、まとまった時間運動するのも難しいですよね。そこで本書ですすめているのが、「グリーンエクササイズ」というもの。

公園などの戸外で5分間だけ体を動かすことで大きなリフレッシュ効果があるのだそう。少しの運動でも脳への血流が改善しますし、集中力を高めるには十分な効果を発揮します。

7.瞑想

近年では瞑想も注目され、世界的な企業でも導入するところは増えています。

この瞑想は、脳の灰白質と呼ばれる領域の質を向上させることが分かっています。この灰白質が前頭葉を形成しています。瞑想をした累計時間数が増えることによって、より灰白質が活性化したという研究もあるそうです。

つまりはトレーニングで向上させることができるというわけです。

瞑想を習慣化するためには、1日3分でもいいので、正しい姿勢で呼吸に意識を向けるというシンプルな方法になります。これだけで自制心が鍛えられ、自分に変化が起こります。

これはぜひ身につけたい習慣ですね。

集中力を高めることで人生に変化を起こせ!

本書では集中力に関するさまざまな情報がまとめてあり、とても参考になりました。ぜひ一読の価値はあります。

もしかしたら「そんなこと知っている」と思う方法が多いかもしれません。確かに本書に書いてあることの大半は、著者が圧倒的なインプットで手に入れた科学的な方法を自身の経験に絡めて語っているに過ぎません。DaiGoさんが導き出したものではなく、すでに多くの研究でわかっていることも事実です。

しかし、よく考えてほしい。

DaiGoさんが本書の冒頭で述べていることが集中力を発揮する方法を「実践しているか・していないか」ということです。

これは集中力の発揮に限った話ではありませんが、方法を知っていることと実践していることには雲泥の差があります。

「なんか集中できないな」と感じて、本来やるべき仕事や勉強から脱線してムダな時間を過ごしてしまう。そこで思考停止に陥っていることはありませんか。

それよりも、どうすれば集中力できるかと考え、本書で述べられている環境面、精神面、身体面のどこに問題があるのかを突き詰め、より自分の集中しやすい状況に変えていくかが重要です。

成果を出している人は集中している人に限られます。散漫な集中力をもってして、仕事や勉強で結果を出した人を知りません。

ですから、本書で紹介されていることを少しずつ取り入れていけば、集中できるようになるのではないでしょうか。

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