これからの時代に必須のスキル『武器としての書く技術』イケダハヤト著

武器としての

いまの時代、文章を書くことが必須のスキルとなりました。メールや企画書、さまざまな場面で文章を書く機会が増え、それによって自分の意見などを的確に人に伝える必要が出てきました。

そんな時代に文章を書くことは「武器」であり、装備しなければならないと説くのが「まだ東京で消耗してるの?」でおなじみのイケダハヤト著『武器としての書く技術』です。

本書はブログなどのWeb上で文章を書くためにはどうしたら良いかが書かれています。現代人はとても忙しい。文章に飢えている人は皆無で、面白くない文章であれは、まったく読んでもらえません。

ストリートライブに例えて、どうやって読んでもらえるか、リピーターになってもらえるか。とても実践的で具体的な方法だったので、印象に残っている部分について紹介します。

武器としての書く技術

ブログ記事は「贈り物」

ひとつの記事に言いたいことはひとつ。あまり多くのことを詰め込むとわかりにくい文章になってしまいます。自分の知識を切り出し、まとめ、タイトルをつけ、ひとつのパッケージとして記事にする。

これが「贈り物」に似ているといいます。人々が集う場所に、誰かの役に立ってくれるといいなと思い、そのパッケージ化したプレゼントをそっと置いておくのだと。

贈り物ですから、ゴチャゴチャしすぎるのは良くありませんし、伝えたい思いはシンプルな方がいい。

ひとつの文章で伝えられることは多くありませんし、読者が覚えておけることも限られています。だからひとつの記事に言いたいことはひとつです。

この贈り物というのは、言い換えると「手紙」に近いのかなと。不特定多数の人が行き交うWeb上に自分の気持ちを記したものを置いておく。あの人にこの思いを伝えたい! そっちの方がしっくりきました。

目の解像度を高くせよ

ブログを書いていると困るのが「ネタ切れ」です。特別な経験もしていないし、何も思いつかないと。しかし日常生活であらゆる経験をしているはずです。その中からブログ記事にできることを切り出せるかどうかは、この「解像度」にかかっています。

例えば、ひとつの出来事に対して「1×1」の解像度であれば、「1」しか抽出できませんので、記事として書ける内容も「1」に限られます。しかしこれが「2×2」であれば、「4」になりますので、ひとつの出来事から「4」のことを書けるようになる。こんなイメージです。

さらにこれが、「10×10」になれば「100」ですから、より多くのことを切り出せますし、あらゆる角度から物事を見られるようになるはずですから、多くの記事を書けます。

解像度を高くすれば面積も広がるので、ネタを見つけやすくなります。「今日の体験の中でブログ記事にできることは何か」と問いかける。こうやって目の解像度を高めるトレーニングをしていくことでブログを継続しやすくなります。

ブログは「農業」だ

ブログというのは一発屋のようにドカンと当てるものではなく、ストック型であり、コツコツ積み重ねることが大切です。記事数が増えていけば、それだけ検索エンジンからのアクセスが増えます。

これを「農業」にたとえています。種を蒔き、水を撒き、収穫する。作物を育てるには時間がかかりますし、近道もありません。

ブログも同様で、結果が出るまでには時間がかかります。どれだけコツコツと記事を積み重ねることができるか。それは連綿と続くものであり、まさに農民のようなものだと。

だから、短期間で成果を出そうとするのではなく、長い目で見て継続することが大切です。

必ず分析をする

人気のあるブログは、必ずデータ分析をしているそうです。どのような記事を書いたら、どういう反応があったのかを体感的に知っておくことが、試行錯誤につながります。

ぼくらはビジネスをする際、必ず売上や経費を記録し、顧客の反応や声を参考にしながら、小さな実験を繰り返し、最適な戦略を導き出します。読まれる文章を書きたいと願うのなら、それと同じことを、文章でもやるべきなのです。分析をしないブロガーは、売上や経費をチェックしない経営者のようなものです。(P.170)

書いたら書きっぱなしではなく、分析をすることで改善につなげる。ただPVなどのデータを見て一喜一憂するのではなく、そこから何を学び、次にどう生かすか。そのために必ずデータを分析する。「己を知り」というやつですね。

おわりに

ぼく自身の経験として、1文字の違いで微妙なニュアンスが異なることがあり、人によって受け取り方が違うなんてことはよくあります。大袈裟ではなく、1文字が命取りになるなんてこともあります。

文章を書くスキルというのは、身につけることができれば、自分の人生を豊かにしてくれる財産にもなります。

これは技術ですから、トレーニングで向上させることが可能です。文章を書くスピートを高める訓練を行なっているとも書かれています。

本書は細かいブログ記事の書き方を良い例、悪い例も踏まえて示されているので、読んでおいて損はないです。

文章を書くことが人生を変えるともいっていますので、読んでいればブログに対するモチベーションも上がりますよ。

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