ぼくの人生に衝撃を与えてくれた本があります。
それがヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』です。
第2次世界大戦時のナチスの強制収容所における著者の体験記です。
その『夜と霧』をわかりやすく解説した本があったので買ってみました。
NHKの「100分de名著」という番組があります。
そこで『夜と霧』が放送されており、それがテキストとなったものです。
内容は『夜と霧』のあらすじが書いてありますが、著者のフランクルの考え方についても詳しく触れられています。
人生から問われている
人は「自分の人生に意味はあるのか」と問いかけることがあります。
しかし、フランクルは「人は人生から問いかけられている」といいます。
災害や事故に遭ったとき、「なぜ、こんなことになってしまうのか、なぜ自分だけが苦しい思いをしなければならないのか」と問いかけることになります。
しかし、「人生に問う」ことそのものが間違っていると考えます。
自分がいま置かれている状況に対して意味を見出す。
全力で問いに応えていく必要があるわけです。
それが「人生に問われている」ということです。
人生そのものに意味はないと考えます。
誰かが待ってくれている
それでも「意味がわからない」と思うでしょう。
そんなときは、
待ってくれている「誰か」がいませんか。
待ってくれている「何か」がありませんか。
帰りを待つ家族、やり残している仕事など何かがあるはずです。
どこかに必要としてくれている何かが存在するはずです。
そのために人は生きるべきだと考えます。
まとめ
フランクルは、「悩みは人間の能力である」と述べています。
人生は悩みに悩んだ末に意味を見出せるということでしょう。
人が人生を諦めたとしても、人生が人を諦めることはありません。
強制収容所を経験したフランクルだからこそ言える言葉の数々はどれも重く、かつ説得力のあるものです。
『夜と霧』とあわせてこのテキストを読むと理解が一層深まるでしょう。