ガツンと叱られる本『魂の燃焼へ』執行草舟語録

魂の燃焼へ

以前紹介した本『魂の燃焼へ』が素晴らしくて、完全にやられました。たった一度の人生を後悔しないためには、どういう心構えでいるべきか、自分の生き方を考えざるを得ませんでした。

参考:直の精神で生きよ『魂の燃焼へ』執行草舟/清水克衛共著

著者の執行草舟さんからあふれ出てくる言葉の1つ1つに重みがあり、自分自身を律しなければと襟を正されます。

そこで今日は、執行さんの力強い言葉をいくつか紹介したいと思います。きっと何か気づくことがあるはずです。

『魂の燃焼へ』執行草舟語録

僕が読書についてまず言いたいのは、「自分の顔」をつくるのが読書の価値だということ。自分の生き方をつくると言い換えてもいい。

恥というのは、そそがなくちゃいけないんだ。つまり、恥をかいたのなら、かきっぱなしはだめ。必ずそそぐ。そそぐっていうのは言葉の音の通り、身を削って反発エネルギーを出すことを言っている。武士の世界だったら敵討ちということに尽きる。
いまで言えば、そうだな、たとえば上役に馬鹿にされて、恥をかかされたとする。そのとき、そそぐという概念がわかっている人なら、「よし、いまに見ていろ」となるんですよ。もっと偉い人間になってやりゃいいんだ。見返して、ぎゃふんと言わせてやればいい。それが恥をそそぐということですよ。

僕なんか、自分のことを善人だなんて一度も思ったことはない。自分の心の中にいる、どうにもならない悪魔ぐらいは知っている。本当は誰の心にも、悪魔や化け物が巣食ってるんですよ。それを、どうにかして出さないようにするのが「人生の修行」じゃないか。いまの若い人は最初っから善人なんだから、修行などできるわけがない。

どんな本でもそうだけど、一行でも感動したらその本は読んだ価値があるんですよ。

答えなんかじゃなくて、「問い」を見つけることが大切なんだ。自己に対する問題提起、疑問、それから人生でどんなことに体当たりすればいいのか、何を考えればいいのか。その材料を過去の偉大な人たちからもらうのが読書だってことに尽きるんですよ。で、その疑問を感じたまま人生を生き続ける。そうすると、疑問を持ち、何かの壁にぶつかり続ける人生になるじゃないですか。それしか自分をつくり上げていく道はないんですね。

答えというのは、自分の人生においての実践の中から見出すものなんですよ。答えは本には載っていない。答えを本の中に見つけようとしちゃだめなんだ。

何かがあったときに発奮できる自分をつくっておくのが読書なんですよ。僕がさっきから言っている問いを、心の中にたくさん持っている人っていうのは、何かあったとき、清水さんみたいに「なにくそ」と思えるんですね。

到達できないものにこそ、立ち向かわなきゃいけない。到達できない憧れのために、自分の生命を投げ捨てる覚悟があるかどうかということですよ。それが忍ぶ恋ということなんです。人間の生命とは、それがなかったら実につまらないものですよ。

家族のために生きるなんて当たり前のことなんです。口にすることではない。じゃあ、程度が高いのは何かっていったら、地域のため、国家のため、人類のためとかですよ。家族のためを思わないやつは、福沢諭吉の本の中でも言ってるけど、人非人と言われていたんです。

生命というのは挑戦がすべてなんだ。遠い憧れを持って、そのために死ぬ。そして、生命のいちばんの敵は何かと言えば、安全という思想なんだと知らなければならない。

金や保障など、そんなことをはじめから問題にする人間は、読書が足りないんだ。恥を知れ。

理想というのは、美しいものじゃなきゃだめです。他人のためになるもの、国のために役立つもの、人々の夢とか、健康とか、幸福に役立つもの以外はぜんぶだめです。実現できるかどうかまでは問わない。しかし、理想を持たなかったら、本当の人生は始まらないと思う。

この無限循環、他のために自分が犠牲になって消えていくというシステムを、「愛のシステム」と言うんです。自分が一つの小さな星だとしたら、自分がなくなってどういう星の材料になるかを考えるのが人生であり、それを生きがいと呼ぶんです。

根本的に楽しいものはぜんぶ嘘なんだ。悲哀こそが生きるということであり、人生の真実であり、それを抱きしめなきゃだめなんです。

一冊の本というのは、一つの神秘なんだよ。紙じゃないんだ。これを紙だと思ってるからだめなんだ。神秘だと思わなきゃ。いい本は、神聖なる呪物なんだと思う。

苦しいから生命が燃えるんだ。生命の自己確立なんだから苦しいに決まっているんですよ。その苦しみを突破しないと、自己は確立できないわけです。僕が尊敬している人で、亀井勝一郎という人がいた。若いとき、人生論ではいちばん好きだったんだけど、この人は「人生というのは自分の言葉を持たなきゃいけない」と言っているんです。自分の言葉っていうのは、自分独自の考えから出てくる言葉であり、内蔵から絞り出す言葉のことです。これがすごく大事でね。自分の言葉を持って初めて、自分の人生が確立するわけですよ。それを持つために絶対必要なのが、読書だってことです。

突き抜けたいなら自分の縦をつくらなければいけない。横がどんなに広がっても、何も突き抜けられない。横っていうのは、たとえば情報だよ。インターネットで世界中の情報を集めたところで、なんにもならないってことです。だから、本を読めって言っているんだ。友達も横だ。だから、友達に好かれよう好かれようとしていると自己を失う。
僕は横ばかり気にして生きている水平人間のことを、「横野郎」と言っているんですよ。つまり、横並びで、勇気のない腑抜けということ。横が、自己固有の生命の敵なんだ。

自分で選びとった人生を歩んで、自分ですべての責任をとって、あとで文句を一切言うなってことですよ。無責任に人から言われたことでは、絶対に人間は後悔するから、同じのたれ死ぬんでも、自分で選ばないといけない。

自分の生命が、完全に燃え尽きるような生き方をすることだけです。その生き方の善悪や、内容は問わない。それが僕の人生哲学ですよ。僕は自分が正しいとも思ってないし、よいことをしているとも思ってない。ただ、与えられた生命を、燃焼させているだけなんだ。

ガツンと叱られる数少ない本

いかがだったでしょうか。執行さんはいまの世の中の多くのことを喝破しています。武士道を知っているがゆえに、いまの日本人には昔あった美しい日本の心を忘れてしまっているんではないかと。生き方を忘れてしまっているといってもいいでしょう。

そこにガツンとやられました。周りの人間は関係なくて、自分の中に「直の精神」を築けるかどうか。この高い志、理想、到達不可能なものを追い続けることにこそ人間の生命の価値がある。

1つ1つの言葉に執行さんの熱があるので、まるで叱られているような感じがして、それこそ恥ずかしく思いました。

自分がどうあるべきか考えるきっかけとなる本ですよ。

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