こんなに美しい小説はいままでなかった『STONER(ストーナー)』ジョン・ウィリアムズ著/東江一紀訳

ストーナー

美しい小説。

貧しい農家で育ったウィリアム・ストーナーは、農業を学ぶために大学へ通います。

しかし、そこで出会った英文学に魅かれ、専攻を変え、学士取得後はそのまま大学の講師として勤めることになります。

平凡な男の一生の物語で、悲しいはずなのに、どこか心温まる優しい物語。

大学でも家庭でも決して順風満帆というわけではなく困難続き。振り返れば、失った歳月はあまりにも大きく感じました。

それでも一生の友を得、愛すべき人に出会い、学生たちに囲まれ、満足というわけではありませんが、幸せだったようにもみえます。

美しい日本語訳でゆっくりと進む物語。ときに淡く、ときに激しく。

読み終えてしまうのが本当に惜しいと思いながら、少しずつページをめくっていきました。

どんな言葉を並べても陳腐なものになってしまうので、これ以上書けませんが、運命に翻弄されつつも、自らの運命を淡々と受け入れ続け、そして生きた。

決して逃げることなく、自分の人生に立ち向かったストーナーの一生に何かを感じることができるはずです。

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