数ある読書術の本で有名なのが本田直之著『レバレッジ・リーディング』です。
読書を投資活動と捉え、ビジネス書を多く読み、ひたすら実践するというメソッドは多くの人に影響を与えました。
他の読書術の本でもレバレッジ・リーディングの思想を基にしたものが多いです。
ことあるごとに読み返しているのですが、改めて始めから読み通してみると、「あれっ、こんなこと書いてあったっけ」と、新たな発見がありました。いままで気づいていなかった部分についてまとめてみます。
「レバレッジ・リーディング」とは、ビジネス書の多読
レバレッジ・リーディングとは、ビジネス書を多読することにより、自分でゼロから試行錯誤するのではなく、先人の知恵を借りることで、より小さな労力で大きな成果を出すという本の読み方です。
より多くの本を読み、数多く実践できることを取り入れていく。
1つの分野について、複数の本を読むことで、一部の著者の考えに偏らず、いろいろな角度から考えることができます。
そして、「レバレッジ・メモ」という本の抜粋(読書メモ)を作り、持ち歩いてスキマ時間に読み返すことで、無意識に行動できるようになるまで自分の中にひたすらインプットしていきます。
最終的には、ビジネスという実践の場で、実際に行動できるようになることを目的としています。
いままでの読書の常識を覆しているのが、本書がベストセラーになった理由ですね。
本を稼げる道具として捉え、お風呂で読んだり、書き込みをしたりして、どんどん汚す。本のすべてを読まず、自分に必要な部分だけ読む。
1冊の本を読むことで10倍、100倍の利益を出せるビジネスパーソンになれるということで、ベストセラーになりました。
本を読まざるを得ない「環境」に追い込まれた
著者は1年間に300冊も400冊も読むということで、本が好きだろうと想像するのですが、そうではなく、もともと好きではなかったといいます。
しかし、MBAを取得するためにアメリカに留学した際に、課題を多く出され、本を読まざるを得ない環境に追い込まれたといいます。
つまり、目的や目標があったからこそ、本を読むことができた、読書の習慣が身についたというわけです。
本書でも、目的を持って本を読むということを繰り返し述べています。目的を明確にすることで自分に必要なことがはっきりできます。
ヒマつぶしに読もうとかではなく、明確にこういう課題を解決したいと思い、本を読む。
本を読む前に目次やまえがき、あとがきを読むことで、あらかじめ得られることをイメージしなさいともいっています。
現代人は、本を読まないといわれています。目標や課題が明確ではないから、あるいは、ネットで情報収集できるから、本を読まなくてもいい環境に置かれているということかもしれません。
真剣に読む
身銭を切るからこそ、それを取り戻そうとして「真剣に読む」という言葉。
それは身銭を切ることで、1冊の本からより多くのことを学べるから。借り物だと汚すことに抵抗がありますし、大事に扱いすぎてどうも内容が入ってこない。
ぼくがここで改めて気づいたのが「真剣に」の部分です。
読書はお金だけでなく、時間も使います。「真剣に」読んできたのかなと振り返るきっかけになりました。お金を使うわけですから、絶対に元を取ってやろうと思えるか。それが大事なんだと。
また、「本が手元にある限り、いつでも好きなときに読めるものだと思うようになる」とも述べています。
1冊の本と真摯に向き合っているか、買っただけで満足していないか。そういうことに気づきました。
本のすべてを読まない勇気
「勇気」という言葉にもピンときました。
雪山の登山に例えて、引き返す勇気を持てるかどうかと述べ、たとえ身銭を切って買った本とはいえ、不必要な部分は思い切って切り捨てる、その勇気を持てと述べています。
一字一句塗りつぶすような読み方をしてくると、どうしても読まなかったところに重要なことが書いてあるかもしれないという不安が込み上げてきて、どうしても切り捨てることができない。しかし、ここで「勇気」という言葉か出てきます。
あえて読まない勇気を持てるかどうか。
たとえ身銭を切って買った本からでも、自分にとって役立つ部分は本の数ページ。そこ以外はあえて読まない。この読まない勇気を持てるか。
まとめ
改めて読み返してみると、別な発見があるものです。時が経てば、自分の考えも変わるということですし、現状の課題も変わってきたということでもあります。
せっかく読むのであれば、自分の現実を変えられるだけのものを手に入れるというのが理想ですね。
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