とあるプロジェクトでマニュアルを使う機会があったのですが、これがとても使いにくいものでした。
そこに書いてある指示が曖昧で、どう判断すべきか迷ってしまい、スムーズに進まないことが往々にしてありました。
定例的なプロジェクトのマニュアルであるにもかかわらず、なぜこんなにも使いにくかったのか、気づきがありましたのでまとめてみたいと思います。
使いやすいマニュアルとは「いつ、誰が使っても同じ結果を出せるもの」
「仕組み仕事術」という本では次のように述べています。
「仕組み」とは、「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」のことを言います。
「仕組み仕事術」泉正人著
これがとても参考になります。ポイントは「誰が」なんですね。
個人の才能、センス、勘、経験、判断、運を排除すべきもの
マニュアルとは仕事のやり方を仕組み化したものですが、それを属人にしてはいけないということです。
料理で例えると、味付けをするときにレシピに塩の分量が示されていなければ、個人の勘により小さじ1杯なのか、大さじ1杯なのか分量が変わることになります。
これでは料理の味が人によって変わってしまいます。
でもこれは組織として仕事をやる上では望ましくないことです。定例的なプロジェクトでそこに割り当てられる人が毎回変わりますから、毎回やり方が異なっていると得られる結果が変わってくるからです。
顧客から見たときに、同じ会社を相手にしているのに担当者によって対応が異なると信用できませんよね。
だから個人の才能、センス、勘、経験、判断、運を排除すべきであり、仕事を標準化、平準化しなければなりません。
つまり、新入社員でも定年退職前のベテランでも誰がやっても、いつやっても同じ結果を出せるようにするためのものがマニュアルということです。
これが今回のぼくの経験の場合、満たしていませんでした。ガッデム!
フィードバックを受けて改善し続けるもの
マニュアルを使い勝手の良いものにしていくためには、定期的なフィードバックが欠かせません。
今回の場合も古いままで昨年のマニュアルから更新されていませんでした。
これでは毎年同じことの繰り返しであるにもかかわらず進歩がありません。
使う側もただそれを使って、毎回混乱するのではなく、フィードバックするべきなんですね。
現場で使う人の意見がないと、マニュアルはより良くなりません。
マニュアルを作る人は往々にして、現場の状況を知りません。
ですから使い勝手の悪いものになってしまうんですね。
用語の定義、具体的な導線、どのタイミングで何を行うのかなど、気づきをフィードバックすることでより良いものにしていく。
だから今回ぼくは、こう改善したらいいかとフィードバックをしておきました。担当者に感謝されたので使っている人の意見はやっぱり大事ですね。
マニュアルとは一度作ったら終わりではなく、毎回修正してより良いものにしていくものなんですね。
マニュアルは仕事に潤いを与えてくれる
マニュアルとは、いつ、誰が使っても同じ結果を出せるものである必要があります。
わかりやすいのはもちろんですが、具体的に何をどうするのかが示されていなければなりません。
ピーター・F・ドラッカーは「ルーティン化」という言葉を使って次のように述べています。
ルーティン化とは、判断力のない未熟練の人でも天才を必要とする仕事を処理できるようにすることである。経験から学んだことを体系的かつ段階的なプロセスにまとめることである。
『経営者の条件』ピーター・F・ドラッカー著
仕事をマニュアル化するためには、順序立てて整理し、体系化する必要がある。
テンプレートやチェックリストを作る。それを使いながら細かい部分はフィードバックして改善し続ける。
これが使いやすいマニュアルなんですね。