『少女パレアナ』という本を読みました。訳者はNHK朝ドラ「花子とアン」の村岡花子です。
健気な少女が一生懸命に生きる姿に、胸を打つものがありました。
少女パレアナ
主人公のパレアナ(11歳)は両親を亡くし、孤児になってしまうんですね。叔母さんに引き取ってもらうことになるんですが、このパレー叔母さんが冷たく厳しい人なんです。
豪華なお屋敷に住んでいるのですが、パレアナに与えたのは、殺風景で何もない屋根裏の部屋。部屋に絵画やじゅうたんがあることを楽しみにしていたパレアナですが、自分の部屋には何もない。
しかしパレアナは「喜ぶ」んですね。窓から見える木や家、川が絵画のようだと。
喜びの遊び
パレアナは、亡き父親に教わった「喜びの遊び」をずっとやっています。それは、どんなときにも喜べることを見つけるというもの。
なにかしら喜ぶことを自分のまわりから見つけるようにするのよ。だれでも本気になってさがせばきっと自分のまわりには、喜べることがあるものよ(P.60)
それが周りの人たちに影響を与え、ある出来事を境に町中に広がっていきます。その広がりようは、まさに町そのものを変えました。
おわりに
この「喜びの遊び」をパレアナは簡単そうにやっていますが、それには強い意志が必要だと感じました。どんなことからも喜べることを見出すわけですから。
ただ単に物事の良いところを見つけ出すポジティブ思考とは違い、自分が喜びを表現する必要があります。
その喜びを見つけるのが、パレアナは圧倒的に上手い。それは周りの大人たちが驚き、とまどうほど。そして変えてしまうんです。
亡き父との約束のようなものなんだと思いました。
とても価値観を揺さぶる本なので、ぜひ一度は読んでみてほしいなと。こういう物語があるということを知ってほしいですね。