「リストを作る」
これほど自分を支援してくれる強力なものはないと思っています。タスクリストをはじめとしたリストを持つことで自分の思考に優先順位をもたらしてくれますので、いま何をすべきかが明確になります。
またチェックリストを用いることで仕事や生活において秩序を与えてくれます。やるべきことや確認することを書き出すことでヌケ・モレなどを防ぐこともできます。
リストの上から順番にやっていくだけで、今日一日を無事に過ごせるので快適な毎日を送れます。
リストはやることだけでなく、欲しいもの、家にある消耗品、旅行に行くときの持ち物などさまざまな場面で使うことができます。
こういったリストを使う考え方を「リストフル・シンキング(リスト活用思考)」と呼び、自らを「リストマニア」と称している著者による『リストマニアになろう!』を読みましたので紹介します。
リストを作ることは心の準備
リストを作る最大のメリットは、リストに書き出すことで「自分で物事をコントロールしている感覚を持てること」です。
最も身近なリストといえば「やることリスト」でしょう。本書では「TODOリスト」といっています。
やるべきことをリストに書き出しておけば、頭の中から出すことになるのでやるべきことを忘れません。
また、紙に書き出しておくだけで安心できるので、ストレスレベルが大きく下がります。
そうすることでより大切なことに思考を集中することができます。いまやるべきことに没頭できる。
さらに、現在やっている仕事が中断したときでもリストを見れば、どこまで進んでいたかがわかりますから、自分がやっていた作業に戻ることが簡単になります。
リストに書いてある項目を消すことにより達成感が生まれ、自分に対して自身がつきます。このように自分でコントロールできる感覚を持つためにもリストは必要です。
リストを作ることはこれから行うことに対する心の準備だといいます。これからやろうとすることを書き出すことでイメージすることもできます。これは大切なことです。
リストのつくり方
リストのつくり方はシンプルが一番です。本書では紙でリストをつくる方法を述べています。
1.ひたすら書きだす
頭に思い浮んだことはすぐに忘れてしまいますから、すぐに書き出します。
2.リストを整理する
やることが多くなったら整理をします。仕事や家庭ごとに種類を分けるようにすれば、正しく把握することができます。
3.優先順位をつける
締め切りや優先順位に応じた順番をつけます。こうすれば、いまやるべきことに集中できるようになります。
4.リストを書き直す
ここまでくると順番になっていないリストができているはずなので、きれいに書き直します。リストが整然としていると順番に消したくなるものです。
5.何度でも繰り返す
前日に終えることができなかったことについて、翌日のリストに付け加えていきます。こうやって何度でも繰り返すことで少しでもやるべきことを進めていきます。
リストは作っただけで終わらせず、それを実行する必要があります。優先順位や締め切りの設定、タスクの細分化などによりやり遂げることができます。
いろいろなリストの例
良い点・悪い点リスト(プロコン・リスト)
何か大きなものを購入するときや、大きな計画を立てるときにはメリットとデメリットを比較する必要があります。良い点と悪い点のリストを作ることにより、どんなことがあるか検討することができ、自分の判断基準となります。
荷造りリスト
旅行へ行く際に必要なものをリストにしておけば忘れる心配がありませんし、不要なものを持つ必要がありません。
引っ越しリスト
引っ越すときには、新しく買うものだけでなく、どんな場所が良いかなど条件を考える必要があります。そんなときにリストを作っておけば、自分のお気に入りの場所に住むことができます。
調べものリスト
自分の知りたいテーマについてリストにすることで、より細かい点まで考えられるようになります。
カタログリスト
読みたい本や行きたい場所など、リストをつくっておけば、まさにカタログのように自分で選ぶことができます。
人生リスト(死ぬまでにやりたいことリスト)
死ぬまでにやりたいことリストですね。自分の夢と言い換えることもできます。ちょっとでもやりたいと思ったことを書きだしておけば、その方向に向かう意志が生まれます。
感謝することリスト
満足していることを書きだしたものが感謝することリストです。恩恵を受けているものを書きだすことで感謝できますし、心の状態が変わってきます。
巻末付録には「あなたにもきっと役立つリスト」ということで具体的な項目をあげた例があります。
リストがあれば快適な毎日を送れる
なんでもリストにするのは大切なことです。タスクだけでなく、あらゆることを把握することができます。
自分のやりたいこと、欲しいもの、持ち物など、リストにしておくだけで「ここにある」と思えるので安心感が生まれます。
頭の中ではモヤモヤしていたものが、リストとして見えるだけで違うんですね。
リストとして見ることで次の考えが浮かびます。次はどうしたら前に進めることができるのかと。
ここはGTDの領域になってきますが、こうやって頭の中から出して一覧にするのは爽快です。
本書は、どちらかというと初心者向けの優しいものになっているので、すでにタスクリストやチェックリストをガンガンに使っていると物足りないかもしれません。
でも基本的なリストの恩恵をあらためて知ることができますし、参考になる部分もあります。
リストを使うと良い毎日を過ごせますよ。