仕事と遊びの垣根をなくす『ノマドライフ』本田直之著

ノマドライフ

レバレッジシリーズでおなじみ、本田直之さんの『ノマドライフ』を読みました。
「ノマド(nomad)」とは遊牧民を指す言葉で、移動しながら暮らしている人たちのことをいいます。

日本においては、ひとつの場所に縛られない新しい働き方をしている人たちのことをいいます。カフェやコワーキングスペースを転々としながら働くスタイルは一時期ブームとなりました。

本書では働き方だけに限らず、住む場所や生活なども含めた新しい生き方を提案しています。いままでの考え方に縛られない考え方を得られたので紹介します。

仕事と遊びの垣根をなくす『ノマドライフ』本田直之著

「旧来型のスタンダード」では幸せになれない

本田さんはいまのままで本当に良いのかといいます。

経済が右肩上がりの時代であれば、何も考えなくても人生のレールに従い、大学に進学して、大企業に就職して、昇進して、結婚して、子どもが生まれ、家をローンで購入して、定年まで勤める。これで良かったのかもしれません。

大企業に就職し、持ち家を確保し、転職など考えずに社内でステップアップを目指していくモデルが通用していたのです。経済成長が右肩上がりであれば、取りたてて工夫をしなくても、会社の判断に任せているだけで、それなりのリターンは約束される時代だったと言えます。
しかし、いまや状況は変わりました。いや、現在進行形で、強烈かつ猛スピードで変わりつつある、といったほうがいいでしょう。(P.19)

いままでの仕事や生活のスタイルを「旧来型のスタンダード」と呼んでいます。これに固定された人生を歩むことはとてもリスキーです。

時代は大きく変化し、経済成長は頭打ちで大企業ですから簡単につぶれる時代です。

給料が上がらないのに35年の家のローンを組み、その返済のために馬車馬のように働く。しかも会社に忠誠を誓ったところで簡単にクビにされてしまうかもしれない。

このように1つの組織や場所、さらにはお金・モノに縛られることは恐ろしいことです。

ですから、この旧来型のスタンダードから抜け出す必要があります。

さまざまな制約から自由になるためのノマドライフ

本書におけるノマドライフとは次のように定義しています。

仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2カ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をすることで、クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それがいいスパイラルになるライフスタイル。

これがわたしにとっての「ノマドライフ」です。

(中略)

右肩上がりの経済成長がもはや過去のものとなり、今までのライフスタイルや働き方を実践しても幸せになれない時代、より自分らしく、より生産性の高い生き方を模索したときの一つの答え。それこそ、「ノマドライフ」だとわたしはとらえているのです。(P.6-7)

本田さんはハワイと日本を行き来してデュアルライフを実践しています。

その中で生まれたアイデアでビジネスをして自分らしい生き方を追求しています。

ノマドライフというのは、働き方のみに限らず、単一の価値観から抜け出した生き方といえます。

ノマドライフのためのトレーニング

本田さんはノマドライフは「誰にでも実践できる」と同時に「すぐにはできない」とも述べています。

実際に本田さんはいつかハワイに住みたいと思い、15年の準備期間を経てこのライフスタイルに到達しています。

ですから、明日すぐに会社を辞めて「ノマドライフを実践します」と言ったところで、それはかなりの困難を極めます。

本書で提案しているのは、少しずつでもいいのでいまのやり方から移行させていきましょうということです。

トレーニングとしていることは次のようなことです。

仕事のトレーニング

  1. 週1回「会社に行かない日」を作る
  2. 机の引き出しを空にする
  3. デスクトップPCはいらない
  4. “ガラケー”をやめる

お金のトレーニング

  1. 家計簿で「投資」を意識する
  2. 半分の生活費で暮らす
  3. 「自分税」を天引きする
  4. クレジットカードを徹底活用

暮らしのトレーニング

  1. 所有物を半分にする
  2. 引っ越す
  3. 絶えず移動する

時間のトレーニング

  1. 定時に仕事を終わらせる
  2. 「クリエイティブでないこと」を排除する
  3. 「定期的な拘束」を排除する

思考のトレーニング

  1. いつもと違うことをやってみる
  2. 室内から屋外へ、夜から朝へ
  3. ひと回り以上違う世代とつき合う
  4. 言葉以外の共通言語を持つ
  5. モチベーションは上げ下げしない

「トレーニング」と称しているところがおもしろいですね。

いままでのやり方を見直して、少しずつ変えていきましょうということ。一度極端なことをやってみないと、その先に行けないともいっています。

思考停止の状態から抜け出す

本書は「ノマドが最高!」とか「みんなノマドになろう!」といっているわけではなく、あくまで1つのライフスタイルとして提案しています。

こういう生き方もあるよと。

旧来型のスタンダードにより、みんな一緒のことをやっていても幸せにはなれません。それぞれがそれぞれのスタイルで追求すべきものです。

いままでどおりやっていればうまくいくという思考停止状態から抜け出し、新しい視点、価値観をもたらしてくれるのに本書は役に立ちます。

「ノマドライフ」という生き方もあるということを知っておくだけで、人生に選択肢が出てきます。

ノマドライフは心のあり方だということで本書は締めていますが、これを理解していれば、仮に会社に属したままであっても、自律的に働くことができれば自由だといえますね。

ノマドライフのためのトレーニングの部分なんかはおもしろかったので、何か1つでも実践できる部分があれば取り入れてみてはどうでしょう。自分の生き方を見直すいい機会ですよ。