3月になり、だんだんと暖かくなってきました。日もすっかり長くなり、朝夕の通勤時にはマフラーもコートもいらないんじゃないかと思うくらいです。春の訪れを感じると同時に、この時期になったら行ってみたいと思っていた場所が、広島市中区上幟町にある庭園「縮景園」です。
梅や桜が咲く季節に、カメラを持って写真を撮りに行こうと思い立ちましたが、この日はあいにくの雨。晴れた日に四季を感じるのも良かったのですが、雨が降る日に訪れるのもそれはそれで趣があると思い、縮景園を散歩してみることにしました。
名勝 縮景園を散歩
縮景園は国の名勝(国が指定する文化財)に指定される庭園で、1620年に広島藩主の浅野長晟(ながあきら)が別邸として命じて作らせたものです。その名称は幾多の景勝を集め、縮めて表現したことから「縮景園」といわれています。
広島市内の中心部に近く、広島駅からも歩いて来ることができます。門をくぐれば街中にあるとは思えないくらい景色が変わり、まるで時の流れが止まったかのようです。
入園料は一般が260円と安く、写真を撮るには絶好のスポットです。結婚式の前撮りでも人気だそう。
縮景園は回遊式庭園と呼ばれ、庭園の中央にある池、濯纓池(たくえいち)の周りをぐるりと歩いて回ることができます。
雨の日だと、石も潤いを帯び、とても艶やかな表情になっています。
庭園内は順路表示がしてあり、それに従って回ることができますが、たまに順路とは違う道もあります。その先にはこんな感じで竹林もあります。
この大木はイチョウの木で、被曝にも耐えた数少ない樹です。とても力強さを感じます。
お気に入りの1枚。
ちょうどこの日まで盆栽展が行われていました。ちょっとまだ興味が出るには早いかな。
ひとしきり歩いた後は庭園の入口左手にある「泉水亭」というお土産売り場で抹茶のチーズケーキとコーヒーをいただきました。雨の降る中、ずっと歩いているとさすがに少し寒くなってきたところだったので、温かいコーヒーが身にしみます。抹茶のチーズケーキは、チーズと抹茶ムースの間にあんこがあり、とても濃厚な味でした。
普段、雨の日というのは家の中にこもるか、外出しても足早に移動するだけだったので、こうやってカメラを持ってじっくりと歩くと少し新鮮でした。植物の枝や緑の葉が鮮やかに艶めくのを見たり、茅葺き屋根から滴る雫に見入ったりするのもおもしろいですね。