自分の人生に責任をとる『7つの習慣』第一の習慣「主体性を発揮する」

7つの習慣

今『7つ習慣』を読んでいます。人格主義を原則とするものであり、久しぶりに読んだら改めて感銘を受けたので、体得できるように咀嚼しながら読んでいます。

参考:人生を成功に導く原則『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー著

今回は第一の習慣「主体性を発揮する」です。

人には「選択の自由」がある

一般的には過去の出来事によって現在が決まる決定論という考え方が広く浸透しています。

その考え方によると、特定の刺激に対して特定の反応が生じることになり、同じ環境で育った人や同じ経験をした人の現在の状況は同じになってしまいます。

しかし、現実にはそうなっていません。受験に失敗したからといって、みんな不幸になっているわけではありませんし、怪我や病気で必ずしも人生が狂うわけでもありません。

オーストリアの心理学者ビクター・フランクルは第2次世界大戦時に強制収容所の劣悪な環境下に置かれても、自覚を失うことなく、希望を持ち、他者の模範となりました

参考:一瞬の問いに全力で答える『それでも人生にイエスと言う』V・E・フランクル著

刺激と反応の間には、人間の独特な性質に基づく選択の自由があります。

  • 自覚
  • 創造力
  • 良心
  • 自由意志

これらによって、人間には自分自身に無限の可能性を与えてくれることになります。必ずしも過去や現在の状況が未来を決定するわけではありません。人間はどんな状況に置かれても、自分で選択する余地が残されているということです。

主体性を発揮する

選択の自由があるので、人間には自分の反応を選択する能力が備わっています。

それが主体性を発揮する習慣です。

主体性とはよく聞く言葉だが、定義があいまいになっている場合が多い。主体性を持つということは率先力を発揮するだけではなく、人間として自分の人生に対する責任をとるということである。私たちの行動は周りの状況からではなく、私たち自身の選択によって決まるのだ。私たちは感情を価値観に従わせることができる。そして、物事を成し遂げる率先力を発揮する責任を負っているのだ。(P.86)

反応的な人であれば、周りの状況に大きな影響を受けます。天気が良ければ気分が良いです。しかし、天気が悪ければ気分が悪く、文句も言うでしょう。その日一日はやる気が出ず、無為に過ごしてしまうかもしれません。

自分の人生に対する責任を放棄している人は、国が悪い、社会が悪い、会社が悪い、学校が悪い、家族が悪いと、現在の自分の状況をすべて周りのせいにします。

そしてこう言うのです。

「自分自身に選択する余地はなかった。現在の状況は自分が望んだものではなかった」と。

しかし、主体的な人は自分の天気を持っています。天気が晴れていようが、雨であろうがいつも気分良く一日を過ごします。心の中に太陽があるわけです。

決して周りに対して反応的ではありません。周りの状況がどうであろうが、自分自身の価値観に基づいた選択を行います

これが精神的に受け入れにくい概念だということは、百も承知している。特に何年にもわたって環境や他人の行動を、自分の不幸の理由にしてきた人にとっては、そうだろう。しかし、心底から正直に「今の状況はこれまで私が行なってきた選択の結果だ」と言えるようになるまで、「他の道を選ぶ」と言うことはできない。(P.88)

率先力を発揮する

反応に対して選択していくわけですが、それは誰かが問題を解決してくれるのを待っているだけではだめです。自分から進んで状況を改善する行動を起こすことが必要です。それが率先力を発揮するということです。

言葉に気をつける

「できない」「どうしようもない」という反応的な言葉は、自分には責任がないという自己パラダイムをさらに強化することにつながってしまいます。

自分が思い描いたとおりの未来になるという自己達成予言になります。

だから、何を口にするかはてとも大切です。

「どうすればできる」「私がやる」など主体的な言葉に変える必要があります。そうすることで、自分には選択する自由があるというパラダイムを形成することができます。

影響の輪を広げる

ぼくたちは、家庭、仕事、健康、お金、社会など多くのことに関心を持っています。そこで表されるのが関心の輪です。自分が関心を持っている範囲を知ることができます。

しかし、天気やスポーツの結果、芸能人の情報など関心を持っていても、自分が影響を及ぼすことができないことがあります。そこで重要なのが影響の輪です。関心の輪の中で影響できるものです。

反応的な人は、自分が影響させることができない物事に一喜一憂してしまいます。好きな芸能人が結婚したから今日はやる気が出ない。ひいきの野球チームが負けたらやる気が出ない。

主体的な人は、瞬時に自分が影響できることとできないことを見分け、自分の努力と時間を影響の輪に注ぐことができます。そして、どんどん影響の輪を広げていきます。

おわりに

第一の習慣で大切なのは、現在の状況(刺激)に対してどう反応するかです。

まずは冷静になって、物事(特に自分自身)を見つめる自覚を持ち、将来のことや他人のことを想像してみましょう。

善悪、原則に照らして考える良心を持ち、そして自由意志により自分自身の思考と行動は自分で選ぶことができることを知る。

  • 自分には選択の自由がある
  • 影響の輪の中で何ができるか

まずは、この2点を意識して生活をしてみましょう。

ビクターフランクルのように強制収容所に入れられても、自覚を持つことができるのであれば、現代に生きるぼくたちには十分可能なはずです。

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